勝源寺本堂には、江戸中期の彫刻師、石賀小平次良信による欄間彫刻が残されている。 「東の左甚五郎」 「西の石賀小平次」 この言い回しが象徴するように、小平次の彫刻を称える言葉は少なく無い。 昭和38年、勝源寺を訪れた版画家の棟方志功は、その細工の素晴らしさを絶賛している。 小平次はこの他、勝源寺四脚山門の彫刻も手がけている。 |
また、小平次の仕事の素晴らしさを伝えるものとして、次のような話がある。 勝源寺の山門に施された龍の彫刻が、夜な夜な門を抜け出して、何処かへ居なくなるという。ある男が追い掛けてみたところ、寺の下を流れる川で水を飲んでいた。 恐ろしくなった人々は、大工を呼び、目に竹釘を打つと、もうそれ以後龍は抜け出さなくなったという。 |